共働きと受験とADHD

共働きを続けたかった40代ママ。 娘は私立小学校に通うADHD小学生。 一生働き続けるつもりだったのに、小1の壁を越えられなかった。 娘の発達障害のサポートはどうしたらいいの? 私の再就職はどうなるの? さまざまに葛藤しつつ、納得できる人生を求めて試行錯誤しています。

【ADHDペアトレ報告7】全課程修了 ~効果とつらかったこと~

ペアトレの課程を修了し、修了証などいただいてしまった。

ペアトレの主要な目的の一つに「ADHD児の育児をしている保護者同士の交流」がある。しかしコロナ禍ゆえに人的交流が行えず、心理士さんと一対一でスキルを学ぶ形になってしまった。その点は残念だったが、スキルはしっかりと学べたし、何より子どもに大きな変化があった。

以下、効果について2点、辛かった点を2点、記録しておく。

 

効果① 一人で眠れるようになった

そもそも児童精神科を受診したきっかけは、娘の睡眠不調だった。特に、常に誰かがそばに付き添っていないと、入眠はおろか、夜中でも起きてしまう、という問題を抱えていた。生まれてから8年以上、ずっとである。

ところが、ここ1ヶ月ほど、毎日ではないけれど一人で入眠し、朝まで寝られるようになった。

ADHDペアトレ報告8】で記録した「ごほうびシステム」がとても気に入り、ポイントを欲しいがために、定められた時間までにベッドに入る。

→ 私がベッドに行く前に図らずも寝てしまう。

→ 一人で眠れるという自信

という流れである。まだ一緒に眠りがたる日も少なくないけれど、本人は「私は一人で眠れる」と基本的に信じているし、だから泊まりがけの行事に行きたい、と意気込んでいる。早くコロナが収束して、いろいろな行事が再開されますように。

 

効果② 生活上必要なことがどんどんできるようになる

これも「ごほびシステム」の効果。ポイントが欲しいがために、約束したことはとにかくやる。他にも

無視のスキル…望ましくない行動には注意を払わずスルーする

褒めのスキル…望ましい行動ができたら/望ましくない行動をやめられたら褒める

CCQ…落ち着いて・近くで・静かに、指示そだす

ブロークンレコード…同じ口調で指示を繰り返す

のスキルがとても有効に働いている。もちろん、すべてに何度も指示を出し、褒めることはとても手間だけれど、とりあえず今やらねばならぬことを遂行できるようになったことは、親子の生活をとても楽にしてくれた。

 

 

つらかったこと① 生活の全てがトレーニングになってしまう

これも既に述べたが、ペアトレの宿題をやっていると、生活そのものがトレーニングの場になってしまうこと。我が子とのコミュニケーション、ではなく、ADHD児への対処、になってしまうのだ。最初はこのことがとても辛かったが、続けていくうちに、スキルが身につき、自然とトレーニングではなく生活へと親子の関係がもどっていった。

 

つらかったこと② 感情に蓋をしつづけなければならない

感情として「怒り」や「理不尽」を感じているのに、それを抑えて、子どもを褒めなければいけないのは、やはり精神的に負担が大きい。

「褒める」ことの大切さは、ADHD児に限らず、子育てでここ数年すごく強調されていること。「褒めなきゃいけない」のはわかってる。

でも…

褒めるところない(心理士さんは「探せばある」というが…)時もあるし、

子どもに理不尽なことをされて、こっちとしてはすごく腹がたっているのに、

「声をあらげず、無視して、褒める」のは、楽なことではない。

いや、怒っても何も解決しないのはわかっているし、スキルが効果を発揮するのも十分承知。

でも、でも…、

確実に「私の感情」は抑圧されているのだ。

 

このあたりの保護者の感情の抑圧、褒めを推奨されることのつらさ、については、改めて記録しておきたいと思う。

 

 

 

【ADHD ペアトレ報告6】ごほうびシステム(トークンエコノミー)

今回の宿題は二つ出ていた。

  1. ブロークンレコードでの指示出し ← 前回記録
  2. ごほうびシステム(トークンエコノミー)

今回は2のごほうびシステム(トークンエコノミー)のついての記録

 

ごほびシステムって何?

好ましい、増やしたい行動を表(ひょう)にして、できたことを一緒に確認し、子どもには達成感を、親には褒めるチャンスを作る方法。

  1. 目標リストとは…今できていて、続けて欲しい、増やしたいと思う項目を中心に、うまくポイントがたまるように、リストをつくる。
  2. 目標リストを選ぶ…具体的に5~10個を選び、選んだ行動を時間の流れに沿って並べる
  3. ごほうびを一緒に考える

過程。

 

大事なこと

ご褒美よりも、

  • 子どもがほめられること
  • 親がほめること

 

我が家の目標リストと実施状況

目標リストは添付画像の通り。スタンプを押したり、シールをはったりしている。

実感として、「ものすごくちゃんとやるようになった!」

しかし、前回記したCCQの声がけの大切さも大事。ちょっと忘れている時に、CCQで指示を出す。でも、声かけをしなくてはならない場合も、1回で、あるいは数回でやるべきことをやるようになった。

 

子どもの感想

すごくやる気になる。ごほうびがなくても、スタンプ押すだけでもいいから、続けて欲しい。

と言っております。

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ごほうびシステムの表

 

 

 

 

 

 

【ADHDペアトレ報告5】CCQ(Close, Calm, Quiet)で指示出し、ブロークンレコード

前回のスペシャルタイムは完全失敗で、玉砕し、不十分な宿題を抱えて次のペアトレに向かった。

しかし、ずっと続けていた「お姫様ごっこ」がプレイセラピー的な効果があり、大切な時間とのこと。スペシャルタイムではないが、同様の効果を得られている、とのこと。

「お母さん大変でしょうけれど、ぜひ続けてください!」って言われちゃった。複雑な気持ち…。今までの努力が評価されるのは嬉しいけれど、続けなくちゃいけないのか。本当に大変なんだよね。脳内多動のお嬢さんの、果てしなく展開していく妄想ごっこにつきあうの…。やらなきゃいけないのか、はぁ。

 

今回の宿題は、二つ。

  1. ブロークンレコードとCCQでの指示出し
  2. ごほうびシステム

まずは1の指示出しについて記録しておく。

 

 CCQとブロークンレコード技法での指示出し

CCQとは、Close, Calm, Quietの略。ADHD傾向のある子は、とにかく聞いていないことが多い。だから、Close近づいて、Calm穏やかに、Quiet落ち着いて、話すことが大切なのだ、ということ。

もう一つはブロークンレコードの技。とにかく繰り返し、壊れたレコードのように、淡々と指示を繰り返す、ということだ。

  •  就寝前の薬をなかなか飲まない(絵を描きはじめてしまう)          「お薬のもう」と30~40秒ごとに3回くりかえす。3回目の声かけで飲んだ。「しっかり薬を飲めてえらかったね」と褒める。次に「歯を磨こう」と指示を出す。
  • 靴下をはかず、裸足のまま                       「靴下をはこう」と30~40秒ごとに4回くりかえす。4回目の声かけで飲んだ。「靴下自分ではいてえらいね」これで風邪引かないよ。自分ではいてくれて、ママは助かるよ」 

ポイントは、とにかく声を荒げることなく繰り返すこと。そして、できたら褒めること。

 

今までは

「指示出し」→「(少し大きな声で)指示出し」→「(もっと大きな声で)指示出し」→激高!「いいかげんにしろ、やれ!」怒鳴る!

というような流れだったんだけど、これ、全然効果無いのですって。ADHD傾向の子は不注意だから聞いてなくて、ただ「どなられた」「怒られた」だけが印象として残るだけなんですって。

そして、CCQで繰り返していると、案外、少ない時間で指示出ししたことを実行できることもわかった。怒らないためには精神力が必要だけど、続けていきたい。

【ADHDペアトレ報告4】スペシャルタイム

ペアトレ第4回目が年明けにあり、「スペシャルタイム」をもうける宿題が出された。

 

スペシャルタイムとは

子どもが保護者と一緒に、好きなことをして過ごせる特別な時感のこと。「ママは自分を見てくれている、認められている」という良い気持を子どもが抱き、親子でよいコミュニケーションをとることが目的だという。

 

コツ

二人になれる時感を見つけ、内容については子どもに主導権を与えて行うこと。とはいえ内容はTVゲームなどではなく、ブロックとかボードゲームとか、コミュニケーションのとれる遊びでなくてはならない。時間を定め、保護者に余裕のある時に。

 

スペシャルタイム中にすること

好ましい行動をしたら必ずほめる。困った行動は無視する(前回学んだ無視のスキル)

 

 

チャレンジ1回目(1/26)

写し絵(トレーシングペーパーに絵を写す)をしたいというので始めたが、5分で飽き、もうやめる、と言われてしまった。漫画を読み始めてしまった。あやとりにさそったが、こちらも数分しか一緒にやってもらえず。

 

チャレンジ2回目(1/29)

いろいろな遊びにさそったが、やりたくない、という。結局、いつもやっているお姫様のごっこ遊びになった(←私自身は好きになれず、苦痛だが、本人が喜ぶので今まで繰り返し行ってきた)。15分という約束だったが、結局45分行う。

ルールを守れていないからスペシャルタイムではないよね、これ。

 

この後も何度か試みるが、うまくいかず、そうこうしているうちに私の持病が悪化し、結局成果をあげることができなかった。

 

今回の宿題は本当につらかった。

・物理的な余裕と、子どもの気分、両方が合致しないとスペシャルタイムはできない。

そもそもADHDの子の相手していて、余裕なんてある時はない。

・ペアトレ全体にいえることだが、生活すべてがトレーニングの場になってしまい、負担が大きい。いつも、トレーニング。いつも、スキルを駆使。褒めなきゃ、褒めなきゃ、褒めなきゃ、と追われている。目の前のかけがえのない我が子とつきあう、ではなく、ADHD特性を持つ子どもとトレーニングする、という関係になってしまう。

 

ストレスからか、私は持病の喘息がかつてないほど悪化し、かれこれ3週間も苦しみつづけている。子の睡眠状態も悪化。

もうペアトレやめたい…。

 

 

 

再就職は遠のいているのか…

娘の発達凸凹の対応とコロナで四苦八苦していた今年度だが、

再就職に向けた活動の備忘録。

 

2020年10月まで とある書籍の執筆(共同)

2020年9月~2021年3月 財団法人で文科省委託の教材開発

 

というわけで、切れ目無くバイトをしていて、いろいろな経験が積めたのだけれど、再就職には直接的には結びつかなかった。

そして、

2021年4月~は古巣の学校で非常勤のコマ数がふるふるに入る状況となった。

結局、じたばたしたわりには他の業種に移動できたわけでもなく、状況の進展はない。

臨床心理士の従兄弟に相談 涙が出るほど嬉しかったことば/情報があふれすぎていて

ADHD傾向があり、発達凸凹という検査結果の娘ちゃんだが、学校での困りごとがないので「障害」とはなっていない。幼児期の健診でひっかかったこともない。そういう状態の子は、実質的に何の支援も受けられない。

保護者の負担感や孤立無援感はつのっていく。

 

年賀状をもらって、ぽっかり失念していたあることに気づいた。

そうだ、私の従兄弟は臨床心理士なのだった。身内は診られないというけれど、相談にくらいはのってくれるのでは!?

さっそく年明けに電話で話を聞いてもらった。

 

・知能検査の結果はそれほど心配する必要なし。発達に凸凹はあるが、どの分野も100を切るものはなく、むしろ苦手な分野のせいで、得意な分野の能力が今は十分に発揮できていない、くらいに考えておけばよい。

セカンドオピニオンを得ることはとても大切。他の機関にもつながろう。

・とにかく親身になってくれるところがよい。

・支援機関は玉石混淆。よく見極め、通ってみて「良くない」と思ったら離れる決断も必要。

 

というようなアドバイスをもらった。そして、信頼できる病院や機関をいくつか紹介してもらった。

病院はどこも相変わらずの混雑で、全く予約がとれなかったのだが、区の児童発達支援センターに2ヶ月後に相談できることが決まった。

1歩前進。本当に助かった。

 

電話の前で思わず泣き崩れてしまいそうになったのは、従兄弟の次のような言葉である。

 

うまく集中できなかったり、癇癪をおこしてしまったりしている時、どういう心の状態なのかを娘さんとよく話してみて、分析して、本人が自覚して、じゃあどうすれば改善できるのかを、一緒に考えてみると良いよ。

でも…、それを保護者が一人でやらなくちゃいけないのって、すごく大変だよね。専門家のサポートが欲しいよね…。

 

そうなんだよー(T_T)、大変なんだよ-。そんなうまくできないんだよー、号泣。

 

本を始めとして、インターネット上にも、発達障害の情報があふれている。カリスマお母さんの対応策や成功策にはすぐにアクセスできる。でもね…

 

そんなにうまくできない! 大変! そしてカリスマたちの前で、自分の無力さが際立ち、落ち込む。

発達障害は本当に一人ひとりそれぞれの状態があり、自分の子と同じ状態なんて他にない。だから情報は役立つようで、そのまま転用することはできず、子に合った対応策を見つけ出すのは、本当に複雑で困難な道程なのだ。専門家のアドバイスが欲しいのだ。

 

と、子の対応に苦しむ母は思いますよ。

 

 

【ADHDペアトレ報告3】疲れてしまった

年末年始をはさんでペアトレ第3回があった。この間、3週くらいあいたのだけれど、つらかった。

つらかったこと1

一生懸命習ったスキルを使おうとすることで、疲れてしまった。

前回「褒めのスキル・無視のスキル」を習い、自分なりに真剣に取り組んだつもり。娘ちゃんからも「ママこの頃褒めてくれるからうれしー」という発言があったり、好ましい行動が増えたり、とにかく有効で役に立ったからだ。

が、一生懸命やるあまりに、生活のすべてがトレーニングの場となってしまい、とにかく褒めなきゃ、褒めポイント探さなきゃ、の連続で疲弊したのだと思う。

同時期に、下記の書籍に出会ったことも、私に追い打ちをかけた。この本もとにかく役に立つすばらしいことがたくさん書いてあって、勉強になった。オススメです。が、良いことが書いてあるばっかりに「こんなに頑張るの、私にはできないよ…」と疲れに拍車がかかってしまったのだ。

 

 

有効 → 一生懸命やりまくる → 日常生活のすべてがトレーニング・取り組みの場に

というサイクルは疲弊する。ほどほどが大事。落ち着いたら、この本で紹介さえていることにも一つ一つ取り組みたい。

 

つらかったこと2

大好きだった娘の性格が、ADHDによる特性だとわかってしまったこと。

娘ちゃんはとにかく陽気。そして友達に優しい。いつも周りの人の気持ち(母親以外)を考えて行動している。

内向的な私は、娘のそういう性格を天賦の才だと思って羨ましくさえ思っていたのだ。

が、心理士さんに「ADHD傾向のお子さんを育てる保護者の方皆さんそうおっしゃいますよねー。性格的にとても明るくて面倒見がよくて優しいのですよ。そういう素晴らしい面は伸ばしていきたいですね!」と言われて落ち込んだ。

いや、「すばらしい面」と褒めていただいてるんですけどね、でも、なんだ、これもADHDの特性であって、娘の長所ではなかったのか…、と思ったら、なんか娘のすべてがADHDでできているような気になって、沈んでしまったのです。あきらかに励ましの言葉なんですけれど、疲弊していると、何でもネガティブにとらえてしまうんだね。