【ADHDペアトレ報告7】全課程修了 ~効果とつらかったこと~
ペアトレの課程を修了し、修了証などいただいてしまった。
ペアトレの主要な目的の一つに「ADHD児の育児をしている保護者同士の交流」がある。しかしコロナ禍ゆえに人的交流が行えず、心理士さんと一対一でスキルを学ぶ形になってしまった。その点は残念だったが、スキルはしっかりと学べたし、何より子どもに大きな変化があった。
以下、効果について2点、辛かった点を2点、記録しておく。
効果① 一人で眠れるようになった
そもそも児童精神科を受診したきっかけは、娘の睡眠不調だった。特に、常に誰かがそばに付き添っていないと、入眠はおろか、夜中でも起きてしまう、という問題を抱えていた。生まれてから8年以上、ずっとである。
ところが、ここ1ヶ月ほど、毎日ではないけれど一人で入眠し、朝まで寝られるようになった。
【ADHDペアトレ報告8】で記録した「ごほうびシステム」がとても気に入り、ポイントを欲しいがために、定められた時間までにベッドに入る。
→ 私がベッドに行く前に図らずも寝てしまう。
→ 一人で眠れるという自信
という流れである。まだ一緒に眠りがたる日も少なくないけれど、本人は「私は一人で眠れる」と基本的に信じているし、だから泊まりがけの行事に行きたい、と意気込んでいる。早くコロナが収束して、いろいろな行事が再開されますように。
効果② 生活上必要なことがどんどんできるようになる
これも「ごほびシステム」の効果。ポイントが欲しいがために、約束したことはとにかくやる。他にも
無視のスキル…望ましくない行動には注意を払わずスルーする
褒めのスキル…望ましい行動ができたら/望ましくない行動をやめられたら褒める
CCQ…落ち着いて・近くで・静かに、指示そだす
ブロークンレコード…同じ口調で指示を繰り返す
のスキルがとても有効に働いている。もちろん、すべてに何度も指示を出し、褒めることはとても手間だけれど、とりあえず今やらねばならぬことを遂行できるようになったことは、親子の生活をとても楽にしてくれた。
つらかったこと① 生活の全てがトレーニングになってしまう
これも既に述べたが、ペアトレの宿題をやっていると、生活そのものがトレーニングの場になってしまうこと。我が子とのコミュニケーション、ではなく、ADHD児への対処、になってしまうのだ。最初はこのことがとても辛かったが、続けていくうちに、スキルが身につき、自然とトレーニングではなく生活へと親子の関係がもどっていった。
つらかったこと② 感情に蓋をしつづけなければならない
感情として「怒り」や「理不尽」を感じているのに、それを抑えて、子どもを褒めなければいけないのは、やはり精神的に負担が大きい。
「褒める」ことの大切さは、ADHD児に限らず、子育てでここ数年すごく強調されていること。「褒めなきゃいけない」のはわかってる。
でも…
褒めるところない(心理士さんは「探せばある」というが…)時もあるし、
子どもに理不尽なことをされて、こっちとしてはすごく腹がたっているのに、
「声をあらげず、無視して、褒める」のは、楽なことではない。
いや、怒っても何も解決しないのはわかっているし、スキルが効果を発揮するのも十分承知。
でも、でも…、
確実に「私の感情」は抑圧されているのだ。
このあたりの保護者の感情の抑圧、褒めを推奨されることのつらさ、については、改めて記録しておきたいと思う。