共働きと受験とADHD

共働きを続けたかった40代ママ。 娘は私立小学校に通うADHD小学生。 一生働き続けるつもりだったのに、小1の壁を越えられなかった。 娘の発達障害のサポートはどうしたらいいの? 私の再就職はどうなるの? さまざまに葛藤しつつ、納得できる人生を求めて試行錯誤しています。

知的な遅れがないが故の大変さ

娘ちゃんは知的な遅れがない。学校の勉強も(宿題に取り組めるよう親がわきにつきっきりでいられれば)今のところついていけている。

でも、知的な遅れがないが故の大変さがある

Web上にも知的な遅れのない発達障害の子を育てる親御さんからの情報がたくさんあり、それらを読むたびに首がもげるほど頷いている。

娘ちゃんが児童精神科の門をたたいて10ヶ月。

これまで感じた知的遅れがない故の大変さをまとめておこうと思う

将来、もっと娘ちゃんの特性への理解が深まって、「あの時感じていた困難は的外れだったな」と反省できることを祈っている。

 

【支援について】

・発達の凸凹度は大きくても、周りに迷惑をかけていない(授業中の立ち歩きや他害行為などがない)場合、診断が下りにくい。本人はとても困っているのだけれど、周りが困っていないため、「発達『障害』」として認められない場合がある。娘ちゃんも、はっきりした診断は下りていない。「環境が変わって困りごとが生じたらADHD」というなんとも歯切れの悪い診断。それでいて医者からは服薬を勧められたりする。どっちなんじゃい!

普通級の在籍で、通級もできない。学習に遅れがない場合はなおさら、学校での特別な支援は望めない。公立学校に転校し(娘ちゃんは現在私立在籍)通級指導を受けることを希望したが「無理です」とはっきり断言された。でも、忘れ物の多さ、目の前のことへの取り組めなさ、など、本人はとても困っていて、状態を放置しておいてよいとは全く思えない。

児童発達支援センター等の支援も原則として受けられない。凸凹があっても、凹を凸でカバーできていると判断されると、支援センターとの一切の関係は絶たれる。その後は、民間のサポート機関を探すか、行政に訴えてサポートを勝ち取るか、とにかく「もぎとる」ともいうべき行動力で支援をつかみ取っていかないと、何もない状態で親子で荒野に放り出されてしまう。ものすごくエネルギーも時間がかかる。

必要なサポートがはっきりわからない。なんか困っているようなんだけれど、どうサポートすればよいか、どう環境を調整すればよいか、素人には明確にわからない。発達障害の特性は千差万別。書籍などで勉強しても、我が子にぴったりの状況など紹介されておらず、混乱は深まるばかり。そこでこそ専門家の意見や判断をいただきたいところなのだけれど、上記のとおり、継続的な支援は望めない。

 

【学習や進学について】

・娘ちゃんも来年は小4。周りのお友達はすでに受験を視野に入れた生活をはじめている。学習に遅れがなければ、やはり勉強面の選択も、最善を尽くしたいと考えるのが親心。とはいえ、定型発達児のような無理はきかず、一般的な方針で進学を考えるのは難しいだろう。しかし、進学に関するアドバイスがどこからももらえない。受験(勉強)に際してその子が注意しなければいけない点、その子の特性、公立に進学した場合にその地域で受けられるサポート、公立学校の環境、私立学校個個の情報(発達障害者の受け入れ)などなど。判断材料は本当に個別的だが、アドバイスをもらえるようなシステムは皆無。いや、民間にはさかんにあるけれど、多くが中学受験を勧めていて、中立性がなく、いまひとつ信用できない。だって、中学受験してくれないと、それで学習サポートを契約してくれないと、商売にならないからね…。

日々の学習で工夫が必要。思わぬところでつまづきが出てしまう凸凹さん。たとえば、聴覚優位の娘ちゃんは、選択問題が答えられない。すばやく正しい選択肢を見つけることができないのだ。先日、英語のリスニングテストで26個の選択肢から答えを選ぶ問題があって、玉砕していた。かわいそうに…。それ、いくら英語の勉強しても正解できないよね、あなたの特性では…。のように、特性ゆえのつまづきや、定型さんとはことなる理解の過程がある。だから、まさに「アダプティブラーニング」で学習を進めなければならないわけだが、外部のサポートはなく、「アダプティブ」な形にするのは全て保護者の工夫、ってことになってしまう。とても負担が大きい、というか無理。

 

総括すると、とにかくサポートがない、の一言につきる。これから支援団体等への理解が深まって、いろいろな支援をつかみとっていけると良いんだけれど、こんなに調べて戦わないと助けてもらえないなんて…。