スリランカの絵本に夢中
シビル・ウェッタシンハさんというスリランカの絵本作家さんに夢中です。
作品の作者紹介欄によると、1928年に生まれで、独学で絵を学んだ方なのだそうです。
『かさどろぼう』が第3回野間絵本原画コンクールの入賞作品とのこと。
ご存命なのかしら。
まず、絵の魅力。
鮮やかではあるが人工的なカラフルさではない。挿絵というには存在感が大きく、細部まで書き込まれた絵は、いろいろな発見があって、
「あ、ここに〇〇がいる」「ここに△△が書かれているのはどういうこと?」
と、子供との会話がつきることはありません。
そして、描かれる人間や動物たちの表情の豊かなこと!
人間と家畜と野生動物が共存しているという話の設定も、新鮮です。
動物と人間との間にはトラブルも起きるのだけれど、それをユーモラスに解決していくところが好きです。
登場人物たちはしょっちゅう歌って踊ります。
幼い頃に、こんなトラブルの解決方法があると知れた娘がちょっとうらやましい。
主人公が子どもとは限らない、おじさんやおばさんであることにもウェッタシンハさんの作品の魅力の一つです。
子ども向けの文章って、
主人公が子どもの物語こそが読みやすい、おじさんおばさんの心理を描いたものはわからない、
というのが日本の国語の定説なんですよね。だから小学校中学校の教科書ってたいがい主人公は少年・少女です。実はすごく成熟した難解な心理が描かれていても、子どもの心だったら採録されていて、おじさん・おばさんを中心とした作品は少ない。
まぁ、日本のおじさん・おばさんはスリランカとは違って苦渋に満ちた日々を送っていて、物語にしてもちっとも魅力的でないからかもしれないが。
とにかく、
世界はこんなにカラフルでゆったりとしていていいんだ!踊りながら生きていい!
と気付かせてくれる作品です。娘にはそんなふうに世界をとらえて欲しいです。