共働きと受験とADHD

共働きを続けたかった40代ママ。 娘は私立小学校に通うADHD小学生。 一生働き続けるつもりだったのに、小1の壁を越えられなかった。 娘の発達障害のサポートはどうしたらいいの? 私の再就職はどうなるの? さまざまに葛藤しつつ、納得できる人生を求めて試行錯誤しています。

【進級に伴う変化1】多動が目立ってきた

 今まで完全に不注意優勢型だった娘ちゃん。衝動性や頭のごちゃごちゃはあったけれど、めだった身体の多動はなかった。

 しかし、ここ数日多動ぶりが増している。テレビを見ているときなどを例として、いつも踊っている。ちょっとまずいんじゃないかしら、と母は思っている。

 

ADHDって、時期によって表れる症状が変化するものなのですね。

勉強になります。

 

「じっとしていられない気分なの?」と聞くと。

 

わかんない。じっとしていられないわけじゃないけど、ワクワクして動いちゃう。あー、学校って楽しいもんだねー。

 

だって。

どうやら、新学期が始まって、学校で過ごすことが嬉しすぎて動き回っているらしい。

 しみじみ、この人は陽気で、人間と交流することが好きなんだなー。私と正反対だ・・・。

学校が楽しみすぎて多動が増すなんて・・・。まぁ、楽しいのは良きことなり。

ADHDの子って皆こうなのかな。

 

去年の休校期間中は親子で病んでいたね・・・。人と会うことが好きな分、ステイホームは娘のメンタルを削りました。

コロナ感染第四波の今日このごろ。休校だけは嫌だなー。

 

とりあえず、次回の受診日に多動のこと先生に伝えておこう・・・。

一切叱るのをやめてみた

ADHD子育ての右往左往を記録しておくための当ブログ。

治療の進展やトレーニングなど、華々しい出来事ばかり記してきた。一方、日常生活での娘ちゃんへの対応はどうだったかというと、ダメダメだった、としか言いようがない。

 

何度も書いていることだけど、

いろいろスキルを学んで言葉がけの方法など分かってきたのだけど、それは自分の感情とは乖離していて、とにかく

適した声がけ

効果がある褒め

に終始し、人と人との心からの交流、みたいのが、娘ちゃんと私との間になくなってしまった

そして娘ちゃんと居ても全く楽しくなくなってしまった。

春休みで一緒に過ごす時間が多かったこともあいまって、娘ちゃんから逃げたかった。

 

特に、叱らなきゃいけない場面と、褒めなきゃいけない場面が波状攻撃で襲ってくるのは疲弊した。

いくら「褒めて、褒めて」と言われても、やはりスルーできない悪事もあるわけです。叱る、っていうか注意しなくちゃ、と思う場面。で、注意しちゃって、落ち込み、その分たくさん褒めなきゃ!というプレッシャーの無限ループ。

 

………

いま、叱ること、注意すること、から完全に逃避してます。叱ることを、自分の業務から排除した。

注意しても治らないって言うし。←言い訳

で、娘ちゃんとの関わりの総量を減らし、プレッシャーを減らし、時々褒めて、軽く付き合ってる。

こうして春休みを乗り切った。

サイテーだな。後で後悔するだろうな。

 

 

【発達障害の排除2】「困った子」という扱いの不条理

先日、中高時代の同級生と久しぶりにゆっくり話をする機会があった。

彼女はとある大学の教員で、学生の総合的なサポートの業務を担っている人物。

私が教員(だった)ゆえか、さりげない会話の中で、「発達障害みたいな学生が紛れこんできちゃって大変なんだよね」との発言があった。

 

ドキーっとしました。

なぜなら、過酷な受験を経ないと合格できない中高一貫校に長らく勤務してきた私も、同じようなことを言ってきたことに気づいたから。

でも、酷い。これ、酷い。凸凹さんは、凹を必死で凸でカバーして、難関をクリアしたんだよ…。褒められこそすれ、凹のことを非難されても…。もし、これ、他の障害で、例えば「聴覚障害みたいなのが紛れこんじゃって…」って言ったら大問題でしょ。なんで発達障害だけ…目に見えないからって…。いや、そもそも他の目に見える障害だと、明確に弾かれちゃうのか。あれ〜〜〜、これ、大変な排除だぞ。

 

どうしたら良いのだろう。

学びの入り口が選抜になっている限り、何か特定の困難がある人は、はっきりと「足りない人」になってしまう。劣った人になってしまう。

そして、学ぶ機会が失われてしまう。

公立ではインクルーシブ教育が行われているけど、現実には偏差値による序列と競争が激化していて、首都圏では中受がデフォルトだ。それは、全ての分野でまんべんなく能力がないと戦えない競争が設定されている社会だ。勝てないと、学べないんだ。

娘ちゃん、これ、大変だぞ。

よっぽど特異で優れた指導者にめぐりあうようなラッキーがないと、システムに乗ろうとしたら、弾かれてしまう。

 

わたし、教員として、今までずっと、この排除に加担してたんだな。

 

先ほど見たネット記事で

発達凸凹さんは「『困った子』ではなく『困っている子』」という一文に出会った。

必要なのは非難や叱責ではなくサポートだ。どんな場面でも。凹をなんとかカバーできる方法を、一緒に模索すること。そして学ぶ機会を奪わないこと。

ママとして、教員としても、いつも頭の片隅に置いておきたい。

 

【発達障害の排除1】お受験のペーパーは発達の均一さを測っているのかも

児童発達支援センターの心理士さんとの面談で、数をカウントできない虞があることを指摘された娘ちゃん。

いやいや、そういえば、小学校受験のペーパーで、イチゴや花の絵で何個あるか数える課題、たくさんやったわ。確かに苦手だった。でも、にっちもさっちも行かなかったわけじゃないから、まぁ、障害ってほどじゃないはず。と思って母はちょっと前向きになったよ。

 

思えば、小学校受験(のペーパー)って、発達の凸凹の有無を調べて、そういう子をはじく検査だったのだな。今、やっとわかった。

言語、

空間把握、

巧緻性、…

発達凸凹さんが発達検査でひっかかる項目ばかり。お教室に行かなければできるようにならないが、行ったからといって、全ての子が乗り越えられるものじゃなかった。

娘ちゃんにはかわいそうなことしちゃった。ごめんね。

私立小学校にまでインクルーシブ教育を求めようとは思わないけど、先に業界に明言してほしかったわ。発達凸凹さんの受け入れはありません、って。

 

 

でも、中高の入試や教育課程にも似たようなところがある。全て均一にできなければ受け入れない、クリアさせない構造。

私もずっと、そのシステムを当然として、教員として生きてきた。

 

娘ちゃんのおかげで、自らの差別意識に気づくことができたよ。ありがとう。

 

凸凹がある子は学ぶ権利がない、なんて、絶対にあってはならないことだ。

娘ちゃんのために、中等教育に携わる者として凸凹さんのために、何ができるのか。

真剣に考えていかなくちゃ。

 

【児童発達支援センター報告1】やっとつながれた

児童発達支援センター、初相談まで待つこと2ヶ月半

申し込んで2ヶ月半、やっと児童発達支援センターの相談にこぎつけることができた。

ADHD傾向があるとわかってもう半年以上たっている。それまで、何のサポートもしてあげられなくてごめんね、娘ちゃん。

そう、顕著な問題行動がない場合、児童精神科は今ある症状としての不眠(もうないけど)への治療、ペアトレは保護者への指導、しかないので、娘ちゃん本人へのサポートは皆無だったのだ。

 

本人へのサポートをしてくれる場所はかなり意識的に探さねばならない。

臨床心理士の従兄弟に聞いたとおり、そのような機関は玉石混淆。まずは、市区町村の児童発達支援センターにアクセスしてみるのが良いらしい。すごく混んでいるけれど。それで、合えば続けるし、合わない(親身になってくれない、信頼できない)ようならば、他に変える勇気が必要、とのこと。

 

mogana80333.hatenablog.com

 

 

でもなー、毎回、予約とるのに何十回も電話して、3ヶ月待ちで相談できて、それで「合わない」ってなることの繰り返しが続いたら、もう心が折れちゃうなぁ。すごい負担。

 

最初の相談でわかったこと

幸い、私の区のセンターはとても丁寧な対応をしてくださった。

親子別室で。

私は相談員さんに1時間半くらい面談・相談し、基本的な聞き取り。

娘ちゃんは同じ時間、心理士さんが遊びを通して印象チェック。既にWISCの結果などを報告してあったので、苦手とわかっている分野を限定的に調べてみてくださったようだ。

心理士さんがお話しくださった初回の印象は以下のとおり。私が娘ちゃんとは別室でうかがいました。

  • 典型的なADHDではないのでわかりにくいが、衝動的な傾向はあるかな、という印象。
  • 強みは、苦手なことでも丁寧に取り組もうとすること。そして、全体的な知的能力はとても高い印象。
  • 弱点は、全体を見て大事なことを読み取ること。図の読み取り、処理など。全体を見るよりも、パッと目に入ったものに注意が言ってしまう。図で示してあると、文字情報であっても苦手。どこから読んだら良いかわからない。順序だてて言葉で書いてあることの方がわかりやすい。
  • 療育的な関わりが今すぐに必要な段階ではない。
  • 質問に対して「いろいろ」と答えることが多い。知っている語彙は多いにもかかわらず、言葉をひっぱり出してくることが苦手。必要な言葉を選び、自分で深く説明することができない。
  • wiscの結果で「言語」は高い値が出ているが、「言語」の中でも能力がまだらに発達しているかもしれない。言語聴覚士の関わりが必要かもしれない。
  • 数を数えることができない(トランプを同じ枚数ずつ配ったり)可能性がある。

との報告でした。

打ちのめされました。

「言語」の能力は高いと結果が出ていたので、その強みを伸ばせるんじゃないか、なんて心のよすがにしていたのだけれど、そんな単純なものではなかったんだな。

計算ができる(大きな桁数をあつかうことができる)ので思いもよらなかった。1,2,3,4,とカウントすることが苦手だったとは。

でも、わかってよかった。とにかく特性をはっきりさせて、弱みを苦痛に感じないような環境を整えていかなければならない。

 

これからのこと

しばらく、検査・検査・検査。

言語能力、行動能力について、週1のペースで検査が続く。春休みなので助かるが、通院もあり、母は疲労困憊である。仕事を休むことも増え、負担は大きい。でも、このように丁寧に関わっていただけることは、言葉にできないほどありがたい。がんばらねば。

3ヶ月でできるようになったこと

3ヶ月ほど前、「勉強よりまずは生活習慣」で

娘ちゃんにできるようになってほしいことをまとめた。

 

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ペアトレを経て、できるようになったか、検証しておこう。

 

  • 帰宅後、制服とカバンを所定の位置におく→△制服はかけられるが、鞄は玄関に置きっ放し。

  • プリントを親に手渡す→△ただいま集中的に取り組み中。成功率70%というところ。

  • 翌日の準備をする→△ただいま集中的に取り組み中。成功率60%というところ。

  • 宿題等の課題にまず取り掛かる→◎朝起きると、まずZ会やドリルに取り組んでいる。帰宅後は宿題やピアノの練習も。50日くらい一度も欠かしていない。

  • 一人で寝る→◎とにかく、できるようになった!まだ一緒に寝たがるけれど、何度かは一人で寝られた。「自分は一人でも寝られる」という自信がついている。

  • 一人でお風呂に入る→○まぁ、できる。

  • 寝る準備(歯磨き等)を自ら進め、就寝時間を守る→◎ものすごくこだわって、就寝時間を守っている。えらい。

 

というわけで、すごく向上しているのではないか。

ごほうびシステムの効果だと思う。立派、立派。

一つずつ乗り越えていこう。

 

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無理に褒めるのではなく、褒めることのできる環境をつくる

信頼できる機関でペアレントレーニングを受けられたことの僥倖に感謝しつつ、つらかった「褒めることの推奨」について記録しておきたい。

 

ADHD傾向児への対応だけでなく、子育て全般で「褒める」ことが推奨されている。

でも、正直なところ、「お母さん、褒めましょう!」と言われると、お前もか、うんざりだ、はいはいはいはい、と思ってしまうことも事実。

 

褒めよう、褒めよう、といつも努力している。褒めることの効力もわかってる。

でも、叱らなくちゃいけない場面の方が圧倒的に多い。

何より、私は子の理不尽な言動に腹が立っているのだ。その腹立ちをいつも抑えこんで、養育者の義務として、笑顔をつくり、「えらいねー。立派だねー」と言っているのだ。

それを、もっと頑張れと言われると、

うんざりなんです!

 

アレントレーニングを中断しようと何度も思った。

育児本に嫌気がさして、途中で読むことをやめたことも数え切れない。

「褒めることが良い」という情報はもう溢れすぎていて、かえって養育者を苦しめていると思う。

 

なんとかペアトレをやりぬき、効果をあげられたポイントは

褒める機会をつくるサポートをしていただけたこと。

 

褒めるところが少ないのに(無いのに無理矢理みつけて)褒めるのは精神的な負担が大きい。そうではなくて、

自然に褒めるポイントをつくる(子どもの行動が改まる)サポート

褒めポイントが見える化するサポート

をしてもらえると、自然と褒めることができて、褒めるから子どももやる気になって、という好循環が生まれる。当たり前ですけれど。

 

だから「子どもが望ましい行動ができたら褒めることが大事」という基本的な方向性を示しつつ、子どもの行動が改まるテクを知ることができるとありがたい。

そういう意味で

・無視のスキル

・ごほうびシステム

・ブロークンレコードスキル

などのスキルはとても助かった。

 

褒めるのが辛くなったら、無理せず、まずは今の状態に合ったスキルを新たに探索してみることが大事なんじゃないかな。

今後また行き詰まることもあろうから、このことを忘れずにおきたい。